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辞めたい。でも、辞めたあとに後悔したらどうしよう。その気持ちが足を止めているのだと思います。
結論からお伝えします。私は辞めたこと自体は後悔していません。ただ、後悔したことは3つあります。きれいごとだけ並べても役に立たないので、正直に書きます。
- 元教員が後悔した3つのこと
- それでも辞めてよかったこと
- やっておけばよかった準備
- 後悔しないための考え方
悩む先生


私は高校で保健体育を教えていた元教員です。辞めたあとに感じたことを、良いことも悪いことも含めて書きます。
教員を辞めて後悔したこと


先に、つらかったほうから書きます。辞めてよかった話だけ読んでも、判断材料にならないからです。どれも事前に知っていれば、心の準備ができたものばかりでした。同じところでつまずかないように、順番に説明します。
自分が何者か分からなくなった
これが一番つらかったことです。教員という肩書きが、思っていた以上に自分を支えていました。
学校にいたころは、名乗るだけで相手に伝わりました。先生と呼ばれ、立場があり、自分の役割がはっきりしていました。それがなくなった瞬間、自分は何者なのかが分からなくなったのです。
仕事を失ったというより、自分の説明書をなくした感覚でした。時間がたてば落ち着きますが、辞めた直後はここが一番こたえます。
給料が下がった現実
覚悟はしていましたが、実際に明細を見ると数字の重さが違いました。
教員の給与は安定していて、賞与もあります。民間へ移ると、特に未経験の職種では下がるのが普通です。生活の水準をすぐに変えられないと、毎月の計算が合わなくなります。
想像以上だった住民税
一番の誤算がこれでした。収入が下がったのに、税金は前の年の水準で請求が来ます。
住民税は前年の所得にかかる後払いの税金だからです。教員時代の給与をもとに計算された額が、収入の減った年に届きます。知らずにいると、生活費の計算が丸ごと狂います。
仕組みと必要な備えは、辞める前に必要な貯金額をまとめた記事で詳しく書いています。
それでも辞めてよかったこと


ここからは、辞めてよかったことです。後悔したことを3つ挙げましたが、それでも私は辞めた選択を後悔していません。得られたものが、失ったものより大きかったからです。お金で測れない部分なので、人によって感じ方は違うと思います。
社会の様子が見えた
学校の外の世界が、初めて見えました。教員は、学校という場所にずっといる仕事です。
朝から晩まで校内にいて、関わるのは生徒と保護者と同僚。世の中がどう動いているのか、どんな仕事があるのか、実のところ知らないまま働いていました。
外に出て初めて、生徒たちが出ていく社会がどんな場所なのかを知りました。これは学校にいるうちには分からないことでした。
新しい人と出会い価値観が変わった
学校の人間関係は、同じ職業の人ばかりです。話す相手が教員に偏ると、考え方も似てきます。
外に出ると、まったく違う経歴の人と出会います。働き方も、お金の考え方も、人生の組み立て方も違う。正解が1つではないと知るだけで、気持ちはずいぶん軽くなりました。
自分と向き合う時間が増えた
教員時代は、自分のことを考える時間がほとんどありませんでした。授業、部活、書類。気づけば1日が終わっています。
辞めてから、自分が何をしたいのか、どう生きたいのかを考える時間が持てました。この時間がなければ、今の仕事にはたどり着いていません。
やっておけばよかった準備


後悔したことの多くは、準備で減らせたものでした。辞めると決める前でも、今日から始められることばかりです。もし当時の自分に会えるなら、この3つを先にやっておけと伝えます。
お金の管理と貯金
毎月いくら使っているかを把握しておくべきでした。収入が下がったとき、支出を知らないと手の打ちようがありません。
給与が安定していると、家計を細かく見る習慣がつきません。辞めてから慌てて計算することになります。通帳を見て、固定費を書き出すだけでも違います。
パソコンとAIのスキル
学校で使うパソコンの作業は、民間とは違います。表計算も資料作成も、求められる水準が上でした。
在職中に触っておけば、転職してからの苦労はかなり減ったはずです。特別な資格は要りません。表計算の基本操作と、資料を整える力があるだけで十分に違います。
そしてもう1つ、今から辞める人に伝えたいことがあります。生成AIを使えるかどうかです。私が辞めたころには、まだ身近にありませんでした。だから当時の私は困らずに済みましたが、今は状況が違います。
資料の下書き、文章の整理、調べものの要約。民間では、こうした作業にAIを使うのが当たり前になりつつあります。使えないと、同じ仕事に何倍も時間がかかります。逆に言えば、在職中に触っておくだけで、未経験でも戦える部分が増えます。
難しく考える必要はありません。授業のプリントのたたき台を作らせてみる、長い文章を要約させてみる。無料で試せる範囲で十分です。
外の情報を集めること
辞めると決めてから調べ始めたので、選択肢が少ない状態で動くことになりました。
求人を眺める、相談してみる。これは辞めると決めていなくてもできます。情報を持っているだけで、選べる状態になります。先に知っていれば、もっと落ち着いて決められました。
転職エージェントは、求人を見るだけ、話を聞くだけの利用ができます。自分の経験が学校の外でどう見られるのかを知っておくと、判断の材料が増えます。
登録・相談は無料です。在職中から使えます。
後悔しないための考え方


準備だけでは防げない部分もあります。特に、肩書きがなくなったときの揺れは、考え方で受け止めるしかありません。ここでは、私が辞めたあとに気づいた3つの見方を紹介します。今まさに迷っている人の助けになればと思います。
肩書きの置き場所
教員という肩書きがなくなっても、積み上げたものは消えません。ここを分けて考えられるかが分かれ目です。
人に教えてきた経験も、生徒と向き合った時間も、辞めたからといってなかったことにはなりません。失うのは肩書きだけです。
年収だけで比べない
給料が下がったことは事実です。ただ、比べるものが年収だけだと、判断を誤ります。
手に入る時間、心の余裕、選べる自由。これらも生活の一部です。数字に出ないものを紙に書き出して、両方を並べて比べてください。
戻る道も残っている
教員免許は、辞めても手元に残ります。常勤や非常勤という形で、学校に戻る道もあります。
一度出たら終わりではありません。詳しくは教員への出戻りについての記事にまとめています。
教員を辞めた後悔のよくある質問


ここからは、辞めるかどうか迷っている人からよく出る質問をまとめます。感じ方は人によって違うので、1つの例として読んでください。私の答えが、そのまま誰にでも当てはまるわけではありません。
辞めたことを後悔している人は多いのか
私のまわりでは、辞めた選択そのものを後悔している人は少数です。「もっと早く動けばよかった」という声のほうをよく聞きます。
年収はどれくらい下がるのか
職種と業界で大きく変わります。未経験の職種に移ると下がることが多いですが、数年で戻す人もいます。求人票の給与欄を実際に見て確かめてください。
辞めたあと孤独になるのか
一時的に人間関係が切り替わるので、寂しさを感じる時期はあります。ただ、新しい出会いもあります。学校の外にも世界はあります。
何歳まで辞められるのか
年齢の上限はありませんが、未経験の職種に移るなら若いほうが選択肢は多くなります。迷っている時間も年齢に加算されると考えてください。
辞める前にやるべきことは何か
家計の把握と、外の情報集めです。この2つは辞めると決めていなくてもできて、やっておくと選択肢が広がります。
まとめ|後悔は準備で減らせる


最後に大事なところをまとめます。後悔するかどうかは、辞めるかどうかより、準備をしたかどうかで決まります。
- 後悔したのは肩書きと収入と住民税
- 社会が見えて価値観が変わった
- 自分と向き合う時間が持てた
- 家計の把握とパソコンやAIの準備が必要
- 辞めた選択そのものは後悔していない
辞めた直後は、自分が何者か分からなくなりました。それでも、あのまま続けていたらと考えると、今のほうがいいと言い切れます。
今日できることは1つです。先月いくら使ったかを調べてください。後悔を減らす準備は、そこから始まります。


