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辞めたい。でも、辞めたあとの生活費がいくらかかるのか分からない。だから動けない。
結論からお伝えします。目安は「毎月の生活費 × 6か月分 + 30万円前後」です。後ろの30万円は、辞めたあとに必ず来る税金と保険料のぶんです。ここを知らずに辞めると、計算が一気に狂います。
- 教員に貯金が必要な理由
- 必要額の計算方法と具体例
- 辞めたあとに来る3つの出費
- 貯金が足りないときの選択肢
悩む先生


私は高校で保健体育を教えていた元教員です。奨学金を返しながら働いていたので、お金の不安はよく分かります。この記事では、必要な金額の出し方を順番に説明します。
教員に貯金が必要な理由


会社員なら、辞めたあとに失業保険で一定期間しのげます。ところが公立学校の教員は、その前提が通用しません。ここを知らないまま「なんとかなる」と考えていると、辞めたあとに苦しくなります。まずは、なぜ教員ほど貯金が必要なのかを押さえておきましょう。
公立教員は失業保険が出ない
公立学校の教員は雇用保険に入っていないため、いわゆる失業保険は受け取れません。公務員だからです。
代わりに「失業者の退職手当」という制度はありますが、勤続年数が長い人ほど対象外になりやすく、実際に受け取れる人は限られます。詳しくは教員は失業保険をもらえるのかを解説した記事にまとめています。
つまり、無収入になった瞬間から、生活費はすべて自分の貯金から出ていきます。
退職手当だけでは足りない場合
退職手当があるから大丈夫、と考える人もいます。ただ、自分の都合で辞める場合は支給の割合が低く、勤続年数が短いほど金額は小さくなります。
しかも退職手当は、あとで説明する税金や保険料の支払いにも消えていきます。生活費としてまるごと使えるお金ではありません。見込み額は事務室で確認できるので、辞める前に必ず聞いておいてください。
転職活動にかかる期間の目安
転職活動には、一般的に3か月前後かかると言われます。そこから入社して、初任給が振り込まれるまでにもう1か月。
つまり、辞めてから次の給料日までに4か月ほど空く可能性があります。教員からの転職は職種を変えることが多く、さらに時間がかかることも珍しくありません。だから6か月分を目安にします。
必要な貯金額の計算方法


ここからは実際の計算です。難しい式はありません。毎月の生活費を出して、必要な月数をかけ、そこに税金と保険料の分を足すだけです。紙とスマホの電卓があれば10分で終わります。自分の数字でやってみてください。
毎月の生活費の出し方
給与明細ではなく、通帳とカードの明細を見てください。使っている実際の金額が分かるのは、こちらだけです。
- 家賃または住宅ローン
- 食費と日用品
- 水道光熱費と通信費
- 車の維持費とローン
- 奨学金などの返済
- 保険料とサブスク
奨学金や車のローンは、仕事を辞めても止まりません。ここを忘れると計算が合わなくなります。
必要な月数の決め方
次の仕事が決まっているなら3か月分、決まっていないなら6か月分が目安です。
心や体を崩していて、しばらく休みたい場合は、休む期間をそのまま足してください。焦って次を決めると、また同じことを繰り返します。
計算例で見る必要額
実際に当てはめると、こうなります。あくまで目安なので、自分の数字に置き換えて使ってください。
| ケース | 毎月の生活費 | 6か月分 | 税金と保険料 | 必要額の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 一人暮らし・借金なし | 15万円 | 90万円 | 約30万円 | 約120万円 |
| 一人暮らし・奨学金と車あり | 20万円 | 120万円 | 約30万円 | 約150万円 |
| 次の仕事が決まっている | 20万円 | 3か月で60万円 | 約30万円 | 約90万円 |
退職手当が入る見込みがあるなら、その分は必要額から引いて考えられます。
辞めたあとに来る3つの出費


ここが一番見落とされるところです。働いていたときは給与から自動で引かれていたものが、辞めたあとは請求書として自分のところに届きます。しかも金額は、辞める前の収入をもとに計算されます。収入がゼロでも、現役時代と同じ水準の請求が来ると考えてください。
住民税は前年の所得にかかる
住民税は後払いの税金です。去年の所得に対する税金を、今年払う仕組みになっています。
そのため、辞めて収入がなくなっても、教員時代の給与をもとにした住民税の請求が続きます。辞める月によって払い方が変わるのも特徴です。
- 1月〜5月に退職 → 5月分までを最後の給与から一括で天引き
- 6月〜12月に退職 → 退職月までは天引き、残りは納付書で自分で払う
- 納付書の場合 → 6月・8月・10月・翌1月の年4回が一般的
年収によっては年間20万円を超えることもあります。くわしくは教員の転職と住民税についての記事も参考にしてください。
健康保険料は2つから選ぶ
退職すると共済組合から外れるので、自分で健康保険に入り直す必要があります。選択肢は主に2つです。
1つは任意継続で、辞めたときの給与をもとに計算した保険料を2年間払う方法です。もう1つは国民健康保険で、前年の所得をもとに毎年計算し直されます。一般に1年目は任意継続のほうが安く、2年目に逆転することがあります。
どちらが安いかは人によって違います。共済組合と市区町村の窓口の両方で見積もりを取って、2年分の合計で比べてください。
国民年金の保険料も自分で払う
年金も切り替えが必要です。退職後は国民年金に加入し、保険料を自分で納めます。
金額は所得に関係なく一律です。収入が大きく下がった場合は、免除や猶予の制度があります。払えないと感じたら、放置せず市区町村の窓口に相談してください。未納のまま放っておくと、将来受け取る年金が減ります。
貯金が足りないときの選択肢


計算してみて、必要額に届いていなかった人も多いと思います。それでも打つ手はあります。大事なのは「貯まるまで我慢する」以外の方法を知っておくことです。ここでは現実的な3つを紹介します。
在職中に転職先を決める
これが一番確実な方法です。収入が途切れないので、必要な貯金額が大きく下がります。
教員は平日に動きにくいですが、オンライン面談や夜間対応をしている転職の相談窓口もあります。長期休みを使って進める人もいます。
転職エージェントは、求人を見るだけ、話を聞くだけでも使えます。収入が途切れない形で進められるかを相談してみてください。
登録・相談は無料です。辞めると決めていなくても使えます。
辞める月をずらす
辞める日を少し動かすだけで、手元に残るお金が変わります。ボーナスの基準日や、住民税の払い方が月によって違うからです。
仕組みは年度途中退職の手続きとボーナスの注意点にまとめています。数十万円の差が出ることもあるので、体調が許すなら確認してから決めてください。
固定費を先に下げる
必要額は「毎月の生活費 × 月数」で決まります。つまり、生活費を下げれば必要額そのものが小さくなります。
月2万円下げられれば、6か月分で12万円も必要額が減る計算です。通信費、保険、使っていないサブスクから見直すと効果が出やすいです。
教員の退職とお金のよくある質問


ここからは、お金についてよく出る質問をまとめます。金額や制度は自治体や収入によって変わるので、目安として読んでください。正確な金額は、勤務先の事務室や市区町村の窓口で確認できます。
貯金ゼロでも辞められるか
在職中に次を決めれば可能です。収入が途切れなければ、大きな貯金がなくても動けます。体調が限界な場合は、休職という選択肢も先に検討してください。
退職手当はいつ振り込まれるか
退職から1〜2か月後になることが多いです。すぐには入らないので、その間の生活費は別に用意しておく必要があります。
奨学金の返済はどうなるか
辞めても返済は止まりません。収入が減って払えないときは、減額返還や返還期限の猶予といった制度があります。滞納する前に、必ず窓口へ相談してください。
家族に相談すべきか
生活費を共にしている人がいるなら、数字を見せて話すほうが進みます。「辞めたい」ではなく「これだけあれば何か月もつ」という話にすると、議論がかみ合います。
クレジットカードは先に作るべきか
作るなら在職中のほうが通りやすいのは事実です。ただ、借りて生活をつなぐ前提にはしないでください。返済が増えると、次の選択肢が狭くなります。
まとめ|必要額が分かれば動ける


最後に大事なところをまとめます。お金の不安は、金額がはっきりすると小さくなります。
- 目安は生活費6か月分+30万円前後
- 公立教員に失業保険はない
- 住民税は辞めたあとも請求が続く
- 健康保険は2つを見積もって比べる
- 在職中に決めれば必要額は下がる
私も奨学金を返しながら働いていたので、辞めたあとのお金は怖かったです。怖いのは金額が大きいからではなく、分からないからです。
今日できることは1つです。先月の通帳を開いて、実際に使った金額を出してください。そこから必要額が決まります。
2026年10月時点の一般的な制度にもとづいて書いています。住民税や保険料の金額は収入と自治体によって異なり、退職手当や各種制度の扱いも勤務先によって変わります。実際の金額は、勤務先の事務室、市区町村の窓口、共済組合にご確認ください。


